「安閑園の食卓」

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今回は、旅先で読んだ本がとても面白かったのでご紹介します。

林真理子さんが親しい編集者に、「最近、食べものエッセイがやたら出てくるけど、あれを越すのはちょっとないなあ」と話したことから、インターネットの古本市場で見つけ出され、文庫本として復刊されたのがこの本です。
1930年代の台湾に生まれた著者が、台南の郊外の広大な屋敷「安閑園」で過ごした子供時代の食の記憶を丹念に書き綴ったエッセイ。
毎日の普段の食事から祝い事や祭り事、婚礼の宴に至まで、なんと豊かで美味しそうな料理の数々が並ぶことでしょう!
中国の人々の食に対する飽くなき情熱とエネルギー、スケールの大きさにも、ため息が出てきてしまいます。
そして料理があれば当然そこにまつわる当時の人々の暮らしぶりやエピソードも相まって、まるで映画のシーンを見ているかのように、お皿から立ちのぼる湯気の香りや賑やかな人々の笑い声、至福の表情や時に深い悲しみまでも、色鮮やかにその情景が浮かび上がってくるのでした。

著者の父上は、台湾総督府の最高政治顧問という政治の要職にあり、いくつもの会社を経営する実業家、更に学校教育にも力を注いだ方だったそうです。
大家長だった父のもと、著者の兄弟姉妹の数も多く、20人は越す大家族とたくさんの使用人達が、広大な敷地の中に建つ「安閑園」の屋根の下に暮らしていました。
台所のかまどの火は一日中消えず、夕暮れどきには6つのかまど全部に火が入り、煮物、炒め物、揚げ物、スープ、ご飯といっせいに調理され、それはそれは活気があったことでしょう。
著者は幼い頃から料理に興味があったようで、せっせとこの台所に入り浸っては、使用人の邪魔になりながらもお手伝いをかって出たり、おとなしく隅で見物しては料理が作り上げられてゆく様をじっと観察していたようです。

日本の音楽大学で学ぶために来日、日本で結婚生活を送られていたのですが、離婚されてから自宅で得意の料理教室を開かれ、徐々に名が上がって、料理研究家としてNHK「きょうの料理」や雑誌、講演等で活躍なさってました。
台南での生活を語った講演を聞いておられた本間千枝子さんの勧めがあって、この本を執筆され、1986年に刊行されました。
林真理子さんも24年ぶりに読み返したところ、やはり素晴らしかったと書いておられます。
もっともっと著者の色々なお話を読んでみたかったのに、残念ながら2002年にお若くしてお亡くなりになってしまいました。。
凛とした美しい方でらしたのが、お写真を拝見してよくわかります。

本の内容、ちょっと知りたいですよね・・・。

目次の最初のお話が、「宝石売りのおばあさん」

***


年に数回、纏足のおばあさんが小さな足に、それでもちゃんとヒールのある靴をはいて、大きな重たい箱を提げて、危なっかしい足取りで歩いてくる。箱の中身は、いまの金額で言えば一億か二億になるのではないだろうか、ダイヤモンドに真珠、それに中国のことだから翡翠がいちばん多くて、・・・(中略)・・・
高価なものばかり持っているのだから人力車ぐらい乗ればいいのにと思うのだが、いつもかならずひとりで、ヨチヨチとあるいていた。



***

学校から帰った幼い著者が、このおばあさんがきているよと言われると、小躍りして母の部屋にとんでいったのには理由があって、いつもより豪華なおやつが待っているから・・・。
そのおやつとは・・・。
と、甘いお菓子ばかりではない、午後のお茶に添えられた様々な食べ物の話へと広がってゆきます。

そしてこの宝石売りのおばあさんが持って歩いていたのは、宝石だけではなかったのです・・・。
たっぷり時間をかけて宝石選びをする間に交わされる世間話。

***


あちこちの家の出来事や自慢の蘭の出来ぐあい、子どもたちの成長ぶりなどの社交情報を満載してくるのはもちろん、宝石箱のいちばん下の引出しには、ある意味では宝石よりもっと大事なものが入っていた。宝石売りのおばあさんがどこの家でも歓待されたのは、むしろこのためだったかもしれない。



***


って書いてあって、ね〜〜この先が読みたいでしょーー♪
この続きはどうぞ書店でお求めになってから読んで下さいませ〜〜!




PS/旅行中に読んであまりに美味しそうだったので、帰国して程なく台湾料理店「月和茶」を訪れてみました♪

そしたらなんとこのお店のレジの横にもこの本が積んでありましたー!!
台湾料理も食べれて、本も買えるから一石二鳥ですね◎




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魯肉飯(るうろうはん)
味付きゆで卵と一緒に食べるのが美味しい♪




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ビーフン汁麺
















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緑豆餡、マンゴーアイス、杏仁アイス、タピオカ、仙草ゼリー、白キクラゲの台湾パフェー♪









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タピオカミルク
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by jackie-style | 2010-09-08 00:54 | 日々の暮らし | Trackback | Comments(0)
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